雨を避けるな、弾け。
蓑から生まれた素材「MINOTECH®」を解剖
毎朝、天気予報を見てから出勤している。
それでも、急な雨は防ぎようがない。
「水も滴るいい男」という言葉がある。
あれは、もともと顔がいい人にだけ許された言葉だ。
僕が雨に濡れても、ただの「濡れた人」である。むしろ迷惑まである。
髪はぺたんこ、肩はびしょびしょ。
おまけにメガネが濡れて前が見えない。
滴っているのは色気じゃなくて、ただの雨水だ。
でも、本当に必要なのは、毎朝の予報との読み合いに勝つことじゃない。
多少降っても「まあいいか」で済ませられる服を着ておくことだ。
29歳になったいわゆるアラサーの僕には20代前半にはなかった大人の余裕が必要だ。
今回はそんな一着、というか一揃い。
素材の名前は「MINOTECH®(ミノテック)」。
今日はこの素材を、とことん解剖していく。
まずは、これを見てほしい。
水滴が、生地の上を転がっていく。
①そもそも「MINOTECH®」って何?
WHAT IS MINOTECH
MINOTECH®は、帝人フロンティアが開発した撥水素材。
名前の由来は、日本古来の雨具「蓑(みの)」だ。
蓑と聞いて、ピンとくる人は少ないかもしれない。
昔話で、笠と一緒に旅人が羽織っている、あの藁のマントである。
藁を何層にも重ねることで、雨粒を内側に通さず、表面を伝わせて下へ流す。
電気も化学もない時代に生まれた、めちゃくちゃ理にかなった雨対策だ。
その仕組みを、現代の繊維技術で生地の上に再現したのがMINOTECH®。
先人の知恵、恐るべし。
②秘密は、表面の「凸凹」にある。
STRUCTURE
この生地、よく見ると表面がほんの少しだけ凸凹している。
これが全ての答えだ。
糸と織り方の組み合わせで、生地の表面に細かな凸凹をつくる。
すると、水滴と生地がふれる面積が小さくなる。
ふれる面積が小さいほど、水滴はしがみつけない。
結果、コロコロと転がって落ちていく。
ハスの葉の上で、水滴が玉になって転がるのを見たことがあるだろうか。
あれに近い。
水を滴らせるのは、生地の表面だけでいい。
中の人間まで滴る必要はない。
玉になった水が、そのまま流れ落ちる。
③なのに、蒸れない。
BREATHABILITY
雨に強い服、と聞いて思い出すのは、ナイロンのレインコートかもしれない。
雨は防げる。だが中が蒸れる。
結局、雨じゃなくて自分の汗で濡れている。本末転倒だ。
あの蒸れの原因は、生地の裏に貼られた膜(ラミネート)にあることが多い。
水を通さない代わりに、湿気も逃がしにくい。
MINOTECH®は、膜を貼らない。
雨は表面の凸凹で弾き、体から出た湿気は生地を通して外へ逃がす。
だから、蒸れにくい。
雨の日の満員電車でも、メガネは曇るが汗だくにならずに済む。
これは地味に、でも確実に効いてくる。
これが大人の余裕だ。
④見た目は、ほぼコットン。
TEXTURE
撥水素材と聞くと、ナイロン特有のテカテカした光沢を想像するかもしれない。
あれを着ると、どうしてもスポーティー感がぬぐえない。
MINOTECH®は、綿のような風合い。
光沢がおさえられていて、テカリが少ない。
だから、トラックジャケットなのにスポーティ過ぎない。
むしろ上品に見えるこの質感も大人の余裕かもしれない。
⑤セットアップで着るか、バラすか。
STYLING
今回のジャケットとパンツは、同じMINOTECH®素材でつくったセットアップ。
EFGワッペンを効かせたトラックスタイルに、KEBOZ定番のゆったりシルエット。
ジャケットの裾はゴム+ドローコード、パンツの裾はドローコード。
絞ってシルエットに変化をつけるもよし、ストンと落としてラフに着るもよし。
上下で揃えれば、頭から足元まで雨に強い。
バラして、ジャケットはデニムに、パンツはスウェットやパーカーに合わせれば、普段着として毎日使える。
カラーはGRAY・NAVY・BLACKの3色。
他のスタッフは、このセットアップをどう着ているのか。
着こなしの参考に、ぜひ覗いてみてほしい。
水も滴るいい男には、なれなくていい。
水を弾くいい男で、いこう。























